【ユンボの免許を取得する方法】試験の内容や難易度は?

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ユンボをご存知ですか?ユンボは土を掘り起こす際によく用いられるショベルカーのことですが、土木業界だけでなく解体業や造園業、産業廃棄物処理など様々な業種で重宝されています。ユンボの免許を持っておくだけで、多くの業種に対応できるので、この先ドライバーとして活躍したいという方は持っておいて損はないでしょう。今回はユンボの免許取得について一通り解説していきます。

 

■ユンボの免許について

様々な現場で活躍するユンボですが、運転免許だけでは仕事で扱うことができません。ユンボを操作するには運転免許に加え、資格も必要なんです。まずは、必要となる免許と資格の内容、取得の仕方をお伝えしていきます。

・必要な免許・資格

まず、ユンボを公道で運転するために必要になるのが、自動車免許です。

どの自動車免許が必要になるかは、運転するユンボの重量で異なります。

普通自動車免許は「車両総重量3.5t未満まで」、準中型自動車免許は「車両総重量3.5t以上7.5t未満まで」、中型自動車免許は「車両総重量7.5t以上11t未満まで」、大型自動車免許は、「車両総重量11t以上」のユンボを運転することができます。

 

次に資格ですがこちらは2種類あり、扱うユンボの重量で必要な資格が異なってきます。

「車両系建設機械運転技能講習」は、重量が3t以上のユンボを操作することができる資格です。

もう一つの「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」という資格は、重量が3t未満のユンボを扱うことができます。

・免許・資格の取り方

自動車免許の取り方は、普通の自動車免許の取り方と同じです。自動車学校で学科と技能の講習を受け、卒業検定合格後に運転免許センターで学科試験を受験し、合格すれば晴れて免許証が交付されます。

 

「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」の取得方法は、学科と技能の講習を受ければ修了証が交付されます。特に試験はありません。学科講習は7時間、技能講習は6時間程度です。

「車両系建設機械運転技能講習」の場合は、講習を受講した後、終了試験に合格すると資格を得ることができます。こちらの学科講習は13時間、技能講習は25時間となっています。

・必要な費用

3t未満のユンボを操作したい場合、資格取得にかかる費用は1万7千円程度で、その内訳は、受講料1万5千円、テキスト代2千円となっています。

 

3t以上のユンボを操作するのに必要な資格では、さらに費用はかかります。

何も資格や免許を持っていない状態で取得しようと思うと、通常10万5千円程度必要となります。

しかし、他に免許や資格を持っていると、一部の講習内容と費用が免除されるのです。

大型特殊自動車免許を取得している場合や、「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」を修了し、その資格に関わる業務を3ヶ月以上経験している場合は、4万4千円程度となります。

■ユンボの免許取得に必要な講義で学ぶこと

講義の内容をより細かくご紹介いたします。

・小型車両系建設機械の運転義務に係る特別教育

こちらは講義を受けるだけで取得獲得可能です。

【学科】
①小型車両系建設機械の走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識(3時間)
②小型車両系建設機械の作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識(2時間)
③小型車両系建設機械の運転に必要な一般的事項に関する知識(1時間)
④関係法令(1時間)

【実技】
①小型車両系建設機械の走行の操作(4時間)
②小型車両系建設機械の作業のための装置の操作(2時間)

・車両系建設機械運転技能講習

こちらは講習の受講と試験の合格が必要です。

【学科】
①走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識(4時間)
②作業に関する装置の構造、取り扱い及び作業方法に関する知識(5時間)
③運転に必要な一般的事項に関する知識(3時間)
④関係法令(1時間)

【実技】
①走行の操作(20時間)
②作業のための装置の操作(5時間)

■試験内容・難易度

3t以上のユンボを操作する必要がある場合、講習を受講後に試験を受ける必要があります。

高い金額を払って講習を受けたのに、試験に落ちてしまった!なんてことは絶対に避けたいものです。準備のために試験の内容や難易度についてお伝えします。

・出題される問題

基本的には講習で習う範囲から出題されます。講師が覚えておくべきポイントをしっかり教えてくれるので、あまり心配する必要はありません。

技能では、採掘作業が試験内容となります。注意すべきポイントは、何か動作を行う前に安全確認がしっかりできているかというところ。安全確認を怠ると、技能試験では不合格となってしまいます。

初心者だからといって焦る必要はありません。時間がかかるのは問題ではないので、ゆっくり落ち着いて確実な操作を心がけましょう。

・学習法のコツ

試験に出題されるポイントは講師がしっかり教えてくれるので、蛍光ペンなどでチェックしていきましょう。テキストはボリュームがあり、隅々まで覚えるのは非効率的です。チェックした部分を重点的に覚えて、効率よく学習していくことをおすすめします。

・合格率

難易度は決して高くなく、合格率はほぼ100%と言われています。

試験の目的は、講習の内容がしっかり理解されているかと、安全運転の意識が身についているかの確認です。講習を真面目に受けて、安全で確実な運転ができるようになれば、落ちることはないでしょう。

■ユンボの免許取得ができる教習所

ユンボの講習は、ユンボメーカーが運営する専門の教習所で受講することになります。場所は全国各地にあり、住まいとは関係なく受けに行くことが可能です。

助成金を受けられるケースもあるので、概要をお伝えしますね。

・建設労働者確保育成助成金制度とは?

この制度は、一部の受講費用が助成されるというもので、建設事業主や建設業に関わる事業団体で働く従業員の技能向上と雇用改善を図るためのものです。

従業員に技能講習や安全衛生教育などを受講させた場合、事業主に助成金が支払われます。

助成金には、経費助成(受講料の75~80%)と賃金助成(平均賃金日額(上限7000~8000円)×受講日数分)といった種類があります。年齢や事業所の規模によって金額が異なるので、教習所に問い合わせてみて下さい。

・応募方法

講習の予約は、ネットや電話で簡単に行えます。申込書などの書類を作成し提出したら、受講料を支払って予約は完了です。教習所から届くお知らせに従って、必要な持ち物の準備や宿泊の手続きをしていきましょう。

 

■ユンボの運転資格と併せて取得したい資格

ユンボの免許以外に取っておくとよい資格を2つご紹介いたします。

・玉掛作業者

玉掛作業者は荷重1t以上の揚荷装置及びクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛業務を行うために必要な国家資格です。この資格がなければ玉掛作業ができません。
1t未満の荷物を上げ下ろしする場合は玉掛け特別教育の資格が必要です。

玉掛け技能講習は学科12時間、実技7時間が必要になり、学科だけで2日の講義があります。合宿型の講習もあるようです。特別教育を受講している場合は一部科目が免除されます。講習には2万2千円~2万6千円ほど必要になります。※事業者によって異なります。

特別教育では資格取得に学科6時間、実技4時間の受講が必要になっており、取得には1万1千円~1万8千円ほど必要になります。※事業者によって異なります。

・移動式クレーン運転士の免許

バケットの先端に吊り金具がついており、荷物を吊って移動させる場合は移動式クレーン運転士の資格も必要になります。
移動式クレーンはクレーンそのものが移動できますが、吊り作業中に走行することは安全性が低いため禁じられています。

■ユンボの免許があることでどんな仕事ができる?

ユンボの免許があることで多くの現場で活躍できるようになります。
こちらで簡単に活躍できる業界と仕事についてご紹介いたします。

・解体業

解体業でユンボの免許を持っている人を「オペレーター」として解体作業を行います。

・土木・建築業

土木・建築業では山などの切り崩しや建造物を建てる前の準備作業でユンボが非常に活躍します。また、土砂崩れなどの災害による復旧作業にもユンボが使われています。

・産業廃棄物処理業

産業廃棄物処理場で廃棄物の積み下ろしや分別作業にユンボが使われています。分別後の廃棄物はそれぞれ機械で砕き処理されます。

・建材業

建材業では、セメントと他の材料を混ぜて地盤の改良などを目的にした作業に使用されています。なお、ユンボ使用時は周辺の住宅や道路を傷つけないように養生が行われます。

・運送業

クローラー式のユンボは道路を自走できませんが、トラックに積み込んで「重機回送」を行うことが可能です。

・生コンクリート製造業

生コンクリート製造業でもユンボは活躍しています。ミキサー車から生コンクリートを受け取る作業を行いますが、専用のアタッチメントに交換する必要があります。

・電気工事業

地下にケーブルを通して送電や通信を行う場合は埋没配管をするためにユンボで地面を掘ります。

・水道管工事業

水道管や給排水管は地面に埋め込むため、地面を掘る作業にユンボが使われています。狭い場所を掘ることもあるので、超小型タイプが重宝される現場もあります。

・造園・石材業

造園業では耕地整理などにユンボが使われます。石材業では根切りと呼ばれる地面の掘り下げ作業にユンボが活躍します。

 

ユンボは色んな現場で活用できるので、資格を持っているととても重宝されます。

自分の活躍の場を広げるために、資格の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

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